社会福祉も含めた国ごとの平均所得の指標はあるの?
社会福祉も含めた国ごとの平均所得の指標はあるの?
あります。目的に最も近いのは 「調整可処分所得」 です。
Adjusted Household Disposable Income
通常の可処分所得に、政府などから現物で受け取る社会福祉サービスの価値を加えます。
調整可処分所得 = 税・社会保険料を引いた後の所得 + 医療・教育・介護などの現物給付
例えば、公的医療や無償教育が充実している国は、手取り収入だけでは生活水準を過小評価しやすいため、この指標が有効です。OECDでは、現物の社会移転を含む所得を「調整家計可処分所得」としています。(OECD)
国同士を比較するときは、さらに次の条件を確認します。
したがって、求めているものに近い名称は、
「1人当たり実質調整家計可処分所得(PPP換算)」
です。Eurostatも、政府が無償・低価格で提供する医療や教育などを含めることで、社会保障制度の異なる国を比較しやすくなると説明しています。(European Commission)
ただし、年金や失業給付などの現金給付は通常の可処分所得に既に含まれます。一方、公営住宅の便益や治安、インフラ、環境などは十分には含まれないため、「国民の暮らしやすさ全体」を完全に表す指標ではありません。
実質的に受け取っている富を見る指標を知りたい
その意味なら、最も近いのは次の2つです。
実際に自由に使える現金+政府から受ける現物サービスの価値を見る指標です。
概念的には、
給与・事業所得・年金・給付金 − 税金・社会保険料 + 公的医療・教育・介護などの現物給付
となります。
OECDでは Adjusted household disposable income と呼ばれ、社会保障制度の違いを含めて「家計が実質的に受け取った経済的資源」を比較する際に使われます。(OECD)
国際比較なら、特に
1人当たり実質調整家計可処分所得・PPP換算
を見るのが適切です。
英語では Actual Individual Consumption(AIC) です。
これは所得ではなく、
国民が実際に消費できた商品・サービスの総量
を測ります。
自分で購入したものに加えて、政府が負担した医療、教育、介護なども含みます。(OECDデータエクスプローラー)
ただし、どちらも道路、防衛、治安、環境、将来の年金権などの価値までは完全には含みません。
したがって、質問の意図に最も合う指標は、**1人当たり実質調整家計可処分所得(PPP換算)**です。
調整家計可処分所得の日本の現在地は? 円換算で
OECDの最新比較可能値では、日本の1人当たり総調整家計可処分所得は、2024年で
40,482ドル(購買力平価・PPP)/年
です。医療・教育など、政府から受ける現物給付も含まれています。(ウィキペディア)
2024年のOECD購買力平価を 1ドル=約105.52円 として換算すると、(OECDデータエクスプローラー)
です。
計算は以下です。
40,482 × 105.52円 ≒ 4,271,000円
同じデータが掲載されている35か国では、日本はおおむね21位です。
日本の近辺は次のとおりです。
| 国 | 年間・1人当たり |
|---|---|
| ポルトガル | 41,952ドル |
| スロベニア | 41,839ドル |
| 日本 | 40,482ドル |
| リトアニア | 40,432ドル |
| 韓国 | 39,796ドル |
一方、米国は約71,300ドル、ドイツは約61,303ドル、フランスは約53,701ドルです。(ウィキペディア)
この月35.6万円は、銀行口座に入る手取り額ではありません。
含まれるものは、
です。
したがって、日本人が実質的に享受している平均的な経済資源を円で表すと、1人年間約427万円、月約36万円相当という理解が近いです。なお、平均なので所得格差の影響を受け、一般的な人の実感を見るには「中央値の等価可処分所得」も併せて見る必要があります。
※AIの回答は必ずしも正しいとは限りません